年齢としのころ)” の例文
旧字:年齡
年齢としのころ三十あまりと見ゆる女白く青ざめたる㒵に黒髪くろかみをみだしかけ、今水よりいでたりとおもふばかりぬれたる袖をかきあはせてたてり。
伸子は年齢としのころ二十三、四であろうけれども、どちらかと云えば弾力的な肥り方で、顔と云い体躯たいくの線と云い、その輪廓がフランドル派の女人を髣髴ほうふつとさせる。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
年齢としのころはまだ三十に届いたか、届かぬ位であろうが色白の細面ほそおもてに背の高いすらりとした瘠形やせがたで、刻明な鼻筋には、何処か近付き難い険があるけれども、寮に来てからと云うものは
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)