平河町ひらかわちょう)” の例文
当時父は日清戦役にっしんせんえきのために予備役で召集され、K留守師団に職を奉じながら麹町区こうじまちく平河町ひらかわちょうのM旅館に泊まっていたのである。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
少年の話ではその二人の印度青年を連れて今平河町ひらかわちょうの万平ホテルに宿を取っているが、近々どこかへ一戸を借りて、家庭教師を迎えて日本語の勉強をして
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
……三番は、平河町ひらかわちょう騎射きしゃ人形、……四番は、山王町の剣に水車みずぐるま、……八番は、駿河町するがちょう春日龍神かすがりゅうじん、……十七番は、小網町こあみちょうの漁船の山車、……四十番が霊岸島れいがんじま八乙女やおとめ人形‥…
その当時、いわゆる公立の小学校は麹町の元園町に女学校というのがあり、平河町ひらかわちょうに平河小学校というのがあって、その附近に住んでいる我々はどちらかの学校へ通学しなければならないのであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
うちには東京平河町ひらかわちょうの土田という家で製した紙巻がいつも沢山に仕入れてあった。平河町は自分の生れた町だからそれが記憶に残っているのである。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)