山峡やまか)” の例文
旧字:山峽
彼は本道をそれ、鋭く間道へ曲り込むと、山峡やまかひの小径を山の静寂に沿ふて走りはぢめた。走り疲れて倒れることが決意のやうに、彼は走つた。
(新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
このやうな、いはば革命を暗示するやうな悲痛な動揺が、已に収穫とりいれの終つた藁屋根の下でも、きこり小屋の前でも、山峡やまかひの路上でも電波のやうに移つていつた。
村のひと騒ぎ (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)