山岡頭巾やまおかずきん)” の例文
かたわらの方に山菅やますげで作った腰簑こしみのに、谷地草やちぐさで編んだ山岡頭巾やまおかずきんほうり出してあって、くすぶった薬鑵と茶碗が二つと弁当が投げ出してあるを見て
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これは山岡頭巾やまおかずきんかおの半ば以上は隠れ、黒い紋付の羽織、着流しでスラリとした形、腰に大小、手に竹の杖をついて、ふらふらとして夢の国を歩み出したその人は、机竜之助でありました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
黒羅紗くろらしゃ山岡頭巾やまおかずきん目深まぶかかぶり、どっしりとしたお羽織を着、金造きんづくりの大小で、紺足袋に雪駄せった穿き、今一人いちにんは黒の羽織に小袖を着て、お納戸献上なんどけんじょうの帯をしめて、余りしょうは宜しくないと見えて
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)