屡瞬しばたた)” の例文
疳癪の強そうな縁のただれ気味な赤い目をぱちぱち屡瞬しばたたきながら、獣の皮のように硬張こわばった手で時々目やにを拭いて、茶の間の端に坐っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
爺さんはそこまで話して来ると、目を屡瞬しばたたいて、泣づらをかきそうな顔を、じっと押こらえているらしく、皺の多い筋肉が、微かに動いていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)