尖瑞せんたん)” の例文
彼女は縁側に立ちながら手鏡で髪をさばいている夫の方へは眼をやらずに、三角に切られた左の拇指おやゆびの爪の、ぴかぴか光る尖瑞せんたんを間近く鼻先へ寄せながら云った。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)