尋者たづねもの)” の例文
いつは退いてくれるかと、老人夫婦は客の様子をうかゞつてゐるが、平八郎は落ち着き払つてゐる。心安こゝろやすい人が来ては奥の間へ通ることもあるので、襖一重ふすまひとへの先にお尋者たづねものを置くのが心配に堪へない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)