対峙たいぢ)” の例文
旧字:對峙
さうかと思ふと、仏蘭西フランスの女の兵隊と独逸ドイツの兵隊とが対峙たいぢしてゐる、独逸の兵隊はとりこにした幼児をたてにしてひかへてゐる。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
新思想悖如ぼつじよとして欧洲に対峙たいぢすべき覚悟あるものと見做みなしつ、遊説者を派して、平和協会に応援するところあらしめんとせり、而して吾人もし、我邦は世界の極端にあるが故に
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
館では楽屋と舞台との通路をふさいで、閉場後は観客席に暴力団を入れて対峙たいぢさせた。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
敢て兵甲を以て天下にほこらず、而も諸強国に対峙たいぢして遜色ある事なし。
想断々(2) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)