寸断ずたずた)” の例文
旧字:寸斷
いたずらものの野鼠は真二つになって落ち、ぬたくる蛇は寸断ずたずたになってうごめくほどで、虫、けだものも、今は恐れて、床、天井を損わない。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
情に堪えないで、そのまま抱緊だきしめでもしようものなら、立処たちどころにぱッと羽搏はばたきを打つ……たちまち蛇が寸断ずたずたになるんだ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを、つまは深いほど玉は冷たそうな、膝の上へ掛けたら、と思うが、察するに上へは出せぬ寸断ずたずた継填つぎはぎらしい。火鉢も無ければ、行火あんかもなしに、霜の素膚すはだは堪えられまい。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)