“寞々”の読み方と例文
読み方割合
ばくばく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空々寞々ばくばくたる隠者のような生活を夢のように頭のなかにえがいて、ぼんやり一日をくらすようになった。
(新字新仮名) / 島木健作(著)
やがて、女が一言二言何かつぶやきながら、廊下へ出て行くと、パチンと頬を殴る音が続けざまに聞えていたが、やがてまた外は無気味な、汚水のような寞々ばくばくとした静かさになった。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
寞々ばくばくとした雲棚引き、東のはてにただ一つ糠星ぬかぼしまたたいているばかり、四方あたり囲繞とりまく峨々たる山は、闇をしのいで黒くそびえ嵐に吹かれて唸りをあげ、山裾を流れる大河の水は岩にかれて叫んでいる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)