寝敏イザト)” の例文
夜戻る時は、「お寝敏イザトく」と、農村生活に夜の災を相戒める慣用句「おいざと」を使ひますし、唯の場合には、近所へ出かけても「おきばりまつせ」です。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
海岸・野山の散居に、深寝入りを忌んだ昔の生活が、今も島人・山民などの間に残つて居る。夜の挨拶には「お安み」の代りに「お寝敏イザトく」の類のことばを言ひ交す地方が、可なりある。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)