富鬮とみくじ)” の例文
故にこれを富鬮とみくじ的応募といふ。かやうなる句は初め四、五句読めば終まで読まずともその可否は分るなり。いな一句も読まざる内に佳句かくなき事は分るなり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
見来れば軍資を調へんが為富鬮とみくじを興行するも兌換制度を動かすも可なりと云ふ財政家がある、出征に際し恋愛の神聖を無視する士官を称揚する新聞記者がある
今日はこの両区を廻って、それで目的を果さなかったら、もう愈々いよいよ絶望だと思った刑事は、富鬮とみくじの当り番号を読む時の様な、楽しみとも恐れともつかぬ感情を以て、テクテク歩いていた。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)