容貌おもて)” の例文
眼鏡越しに是方こちらを眺める青木の眼付の若々しさ、往時むかし可懐なつかしがる布施の容貌おもてあらわれた真実——いずれも原の身にとっては追懐おもいでの種であった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
容貌おもて、醜しとあれば疎み遠ざかり、あざみ笑ひ、少しの手柄あれば俄かにいつくしみ、へつらひ寄る、人情紙の如き世中よのなかに何の忠義、何の孝行かある。今に見よ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)