宴楽えんらく)” の例文
旧字:宴樂
が、ここでなくとも、家康はあまり宴楽えんらくに興味がない。日頃、彼が主催して、客や家中にする酒宴も、彼には実はおつとめだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらゆる暴虐ぼうぎゃくいた身を宮殿をしのぐような六波羅ろくはらの邸宅の黄金こがねの床に横たえて、美姫びきを集めて宴楽えんらくにふけっております。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
聞いてみると、それは米相場をやる人の家で、この家の宴楽えんらくの声が米の値段のメートルだというのであった。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その邸へのぞみ、その宴楽えんらくがまた——この世をばわが世とぞおもふ——と歌った藤原道長の栄華もおろかな程なものであった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とはいったが、そのため、一時はみなどうなるかと、きょうの宴楽えんらくあだに思われたほどだった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)