客来きやくらい)” の例文
旧字:客來
「お客来きやくらいの所へあがりまして、伯母さん、飛んだお邪魔致しましてネ」と梅子の気兼ねするに「ほんとにねエ」とお加女も相和す
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
さては客来きやくらいと言ひしもいつはりにて、あるひは内縁の妻と定れる身の、吾をとがめて邪魔立せんとか、ただし彼人かのひとのこれ見よとてここに引出ひきいだせしかと、今更にたがはざりし父がことばを思ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
先に怪みし家内は彼の来りしよりもその用事の更に思懸おもひがけざるに驚けり。貫一は不在なりしかばこのめづらし客来きやくらいのありしを知らず、宮もまたあへて告げずして、二日と過ぎ、三日と過ぎぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)