“安火”の読み方と例文
読み方割合
あんか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今日でなくとも、明日という日もありますから……。」と、お庄は安火あんかに入って、こっちを見ている糺の苦い顔を見ながら言った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
段々寒くなってからは、お前がした通りに、朝の焚き落しを安火あんかに入れて、寝ている裾からそっと入れてくれた。——私にはお前の居先きは判らぬ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
かれは女の腕を捉えて、橋詰の番小屋へぐんぐん曵き摺ってゆくと、橋番のおやじは安火あんかをかかえて宵から居睡りをしているらしく、蝋燭のまでが薄暗くぼんやりと眠っていた。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)