守札まもり)” の例文
お信乃が取出したのは、子供らしい大きな守袋まもりぶくろ——男の手縫らしい縫目をほぐすと、中から現はれたのは、お信乃のへそ書きと、それに三枚のお守札まもり、それから一枚の手紙でした。
「でも、あの夜、形見ぞといって下された地蔵菩薩のお守札まもりこそ、思えば、こうなる約束事の護符だったのでございましょう。いまでは、父御のお手に代って、和子の肌守札はだまもりとなっておりまする」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)