如是かゝる)” の例文
如是かゝる心を有つて居しかと責めては後にてとむらはれむ、一度はどうせ捨つる身の捨処よし捨時よし、仏寺を汚すは恐れあれど我が建てしもの壊れしならば其場を一歩立去り得べきや
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あはれ如是かゝるものに成るべきならば功名てがらを得させて、多年抱ける心願こゝろだのみそむかざらしめたし、草木とともに朽て行く人の身は固より因縁仮和合いんねんけわがふ、よしや惜むとも惜みて甲斐なく止めて止まらねど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
磧は黒く醜くなりすなは黄ばめる普通つねの沙となれり、見よ/\如何にと告げ知らするに二人は驚き、まなこみはりて見れば全く父の言葉に少しも違はぬ沙磧、あゝ如是かゝるもの取らんとて可愛き弟を悩せしか
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)