女護によご)” の例文
今日はふだんとちがつて、君が近々きんきんに伊豆の何とか云ふ港から船を出して、女護によごしまへ渡らうと云ふ、その名残りの酒宴だらう。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「そんなわけにも參りませんが、どうでせう、この男を泊めて下すつちや、——年は若いが、これなら女護によごヶ島へ轉がして置いても大丈夫で」
まる女護によごの島だね。僕も是非一度行きたいな。』と、小池はもうお光の言葉を疑ふことは出來なかつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
彼の俊寛は「平家へいけ女護によごしま」の登場人物の一人ひとりである。が、倉田くらた菊池きくち両氏の俊寛は、俊寛のみを主題としてゐる。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、出る時分には、私はもう女護によごしまへ行つてゐる。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)