奥方おく)” の例文
旧字:奧方
「……奥方おく、ちょっと加茂の梶岡入道の家まで行ってくるぞ。留守のまに、一族の者から勅使のしさいを訊いておくがよい」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方おくっ。奥方おくっ」と徐寧は俄かに妻を呼んで——「いま隆さんから聞くと、かくかくの次第だ。すぐ旅仕度をそろえてくれ。隆さんも一しょに行ってくれるだろうな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「兵助っ。金八郎っ。——支度はいいか。奥方おくを……いや迦羅奢を、すぐ用意の山駕やまかごにうつせ」
「それがよい。奥方おくも幼い者たちも、みな連れて、わしの側へ移って来い」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「土屋。土屋右衛門。奥方おくを馬の背へ抱き乗せてやってくれい」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「助光。……奥方おくは無事か。病みもせず暮らしているか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「腹を切れと。——奥方おく。そちは気でもちごうたか」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方おく。留守中は屋敷廻りを気をつけろよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、奥方おくにゆるしを受けて来たと」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方おく、何であろうの』
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方おくや女子供は」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥方おく。奥方」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)