奉加帳ほうがちょう)” の例文
平次が仲間に奉加帳ほうがちょうを廻して足を洗わせ、田圃の髪結床かみゆいどこの株を買って、妹のおくめと二人でささやかに世帯を持っていたのでした。
朧夜おぼろよにそそのかされて、かね撞木しゅもくも、奉加帳ほうがちょうも打ちすてて、さそあわせるや否やこの山寺やまでらへ踊りに来たのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは武州高尾山の半ぺん坊主が、やけに大きな奉加帳ほうがちょうを腰にブラ下げて、この寺に乗込んで来たことで
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、笑って、兄弟分のために、奉加帳ほうがちょうを廻した。
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)