太白星たいはくせい)” の例文
「こよいは星の光いとほがらかなのに、いま天文を仰ぎ見るに、太白星たいはくせいをつらぬいて、一道の妖霧ようむがかかっている。これ兵変のある凶兆きょうちょうである」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
媛神 (梢を仰ぐ)ああ、空にきれいな太白星たいはくせい。あの光りにも恥かしい、……わたしあかかんざしなんぞ。……
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このほど、侍中太史令じちゅうたいしれい王立おうりゅうという者が、天文を観るに、昨年から太白星たいはくせいが天の河をつらぬき、熒星けいせいの運行もそれへ向って、両星が出合おうとしている。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)