天稟てんびん)” の例文
そして茲にこそ氏の作家さくかとして天稟てんびん素質そしつの尊さがあるのでせう。恐らくこの點については各人に異論いろんのない事と思ひます。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
天稟てんびん的」権威、「合理的」権威に分け、またスメントは、政治的統合の態様を、「実体的」統合、「人格的」統合、「機能的」統合に分けている。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
そして私の天稟てんびんのなかに何らかのよきものがありますならばそれを他人に与えるような生活がしたいと思います。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「良心も同じものです。良心とは、われわれが自己のうちに有している天稟てんびんの学問の量をさすのです。」
ただ自然に草木が好きでこれが天稟てんびんの性質であったもんですから、一心不乱にそれへそれへと進んでこの学ばかりはどんな事があっても把握して棄てなかったものです。
政秀の諫死かんしによって信長大いに行状を改めたが同時に、その天稟てんびんの武威を振い出した。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それが証拠に、昔の名判官めいはんがんとか名探偵とかいわれる人は心理学が今日の様に発達しない以前から、唯彼等の天稟てんびんによって、知らずらずの間に、この心理的方法を実行していたではありませんか。
D坂の殺人事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ただ自然に草木が好きでこれが天稟てんびんの性質であったもんですから、一心不乱にそれへそれへと進んでこの学ばかりはどんな事があっても把握して棄てなかったものです。