天津てつ)” の例文
蘭軒の女は天津てつ智貌ちばうちやうじゆん万知まちの五人で、長は第三女であつた。長の夫は棠軒の親類書に「御先手井手内蔵組与力井戸応助」と云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
頃日このごろ伊沢分家にたゞして知り得たる所に従へば、蘭軒の長女は天津てつで、文化二年に夭した。其生年月をつまびらかにしない。二女智貌童女は文化九年中生れて七日にして夭した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
分家伊沢の人々の語る所に依れば、蘭軒には嫡出六人、庶出六人、計十二人の子があつたさうである。歴世略伝にある六人は、男子が榛軒常三郎柏軒、女子が天津てつちやうじゆんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)