大行たいこう)” の例文
「ばかやろう! 親不孝者! 大行たいこう細謹さいきんをかえりみずということわざを知らんか、阪井猛太は天下の志士だぞ、ばかッ」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
大行たいこう天皇の御はふりの御わざはてにけるまたの日、泉涌寺せんにゅうじもうでたりけるに、きのふの御わざのなごりなべて仏さまに物したまへる御ありさまにうち見奉られけるをかしこけれどうれはしく思ひまつりて
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
彼はこの危険な弟子に向って言った。もはや、伝うべきほどのことはことごとく伝えた。なんじがもしこれ以上この道の蘊奥うんのうを極めたいと望むならば、ゆいて西のかた大行たいこうけんじ、霍山かくざんの頂を極めよ。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)