大梵鐘だいぼんしょう)” の例文
頭のいただきから、山嵐さんらんをゆする三井寺みいでら大梵鐘だいぼんしょうが、ゴウーン……と余韻よいんを長くひいて湖水のはてへうなりこんでいった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしたら余り駅がひどい人なので、すこしすくのを待つ間、広告でもう一つの名所としてある日本第二の大梵鐘だいぼんしょうというのを見物に、自動車へ満載で行った。
ひとたび中堂の大梵鐘だいぼんしょうが三塔十六谷を鳴り揺すれば、日ごろ訓練に怠りない三千の僧兵がいつでも雲のごとく武装して立つほどにまでなっている。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
知恩院ちおんいん大梵鐘だいぼんしょうでもくように、気をそろえて、それへ手をかけあった両童子りょうどうじいきと力をあわすやいな
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山門の上では、根本中堂こんぽんちゅうどう大梵鐘だいぼんしょうがいんいんと鳴りわたっていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背を伸ばした時は、東塔の大梵鐘だいぼんしょうが、二更を報じていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)