大小名だいしょうみょう)” の例文
この秋に、京は紫野むらさきの大徳寺だいとくじで、故右大臣信長こうだいじんのぶながの、さかんな葬儀そうぎがいとなまれたので、諸国の大小名だいしょうみょうは、ぞくぞくと京都にのぼっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何しろ江戸一の大祭なので、当日は往来を止めてみだりに通行を許さず、傍小路わきこうじには矢来やらいを結い、辻々には、大小名だいしょうみょう長柄ながえや槍を出して厳重に警固する。
東海道や船路のほうは、ためにほとんど、官用の輸送や、建築用材の運搬や大小名だいしょうみょうの往来でいっぱいで、こういう女郎衆の行列などは不便をしのんで、中山道や甲州筋を選ぶほかなかった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)