益なきものを作るのは、美を乱す所以と知らねばならぬ。かつてあの「大名物」は貧しい日常の用器に過ぎなかったではないか。
いくら大名物のこけ猿でも、いのちには換えられない……と、与吉が、ころがるように逃げて行ったあと。
今日「大名物」と呼称される名器の一切は実に雑器類であったではないか。悉くが元来は「下手物」である。
「いずれ、また会う。それまで、壺を離すなよ。天下の大名物こけ猿の茶壺、せいぜい大切にいたせ」
さすがに「大名物」は美しい器物です。すべてが真の民器だからです。かつて茶人達はあの華美な、技巧の複雑な貴族的なものを、茶器に選んだことがあったでしょうか。
“大名物(名物(茶道具))”の解説
名物(めいぶつ)とは、茶道具においては格付けの一種類と捉えることが出来る。
広義には愛称としての銘を備えた道具の全てを指すが、一般的には名物記などに登場する道具を指す。
さらに大名物(おおめいぶつ)と中興名物(ちゅうこうめいぶつ)に対して、千利休時代に著名であった道具を指す場合もある。
名物とされる茶道具は、茶碗や茶器だけでなく、それらを包む布類「名物裂(きれ)」にも及ぶ。
(出典:Wikipedia)
名物とされる茶道具は、茶碗や茶器だけでなく、それらを包む布類「名物裂(きれ)」にも及ぶ。
(出典:Wikipedia)
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