外殻がいかく)” の例文
自分は冬じゅうこの死んでいるか生きているかもわからない虫の外殻がいかくの鈴成りになっているのをながめて暮らして来た。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この外殻がいかくが、じつに問題であった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これらはそういう自我の主観的な感情の動きをさすのではなくて、事物の表面の外殻がいかくを破ったその奥底に存在する真の本体を正しく認める時に当然認めらるべき物の本情の相貌そうぼうをさしていうのである。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一つ一つの虫の外殻がいかくにはやはりそれぞれの個性があった。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)