“塗駕籠”の読み方と例文
読み方割合
ぬりかご100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして祈祷きとうがすむと、黙々と、供の列や塗駕籠ぬりかごの待っている海辺の松並木まで、在りし日の人を胸に思いながら歩いて帰ることもきまっていた。
「……あの……黒い塗駕籠ぬりかごの中に紫色の被布ひふを召して、水晶のお珠数じゅずを巻いた手であの花をお渡しになりました。挟箱はさみばこ持った人と、怖い顔のお侍様が一人おともしておりました」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
数日ののち、今浜から蜂須賀はちすか彦右衛門の一行が着いた。迎えの役としてである。老母と寧子ねね塗駕籠ぬりかごに乗せられた。前後についてゆく将士の装いも平和である。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)