堆積やま)” の例文
ほんの寸法だけで左足の堆積やまと右足の堆積とから手当り次第に掴み取りして似合の一対とするように、人間が肢を八本もっていたアンドロギュノスの往古むかしかえり度い本能からばかりならば
アンドロギュノスの裔 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
もっとも現場を見つけた百姓が直ぐその場で咎めさえすれば、そのまま何の文句もなく、彼はかすめた品をこっそり置いて行くが、それが一旦くだんの堆積やまへなげこまれてしまったら万事休すで
泥にまみれた小石の堆積やまなぞ見受けるもので
恰好のいい向日葵ひまはりのいつぱい咲き乱れた菜園の上には、翠玉石エメラルドいろ、黄玉石トッパーズいろ、青玉石サファイヤいろ等、色さまざまな、微細な羽虫が翔び交ひ、野づらには灰いろの乾草の堆積やまや黄金いろの麦束が
幾数万の人間の血ぬれの堆積やまを作る時
甜瓜まくはうりや西瓜や南瓜の堆積やまが、さながら黄金きんと赤銅の鋳物のやうに見えた。
堆積やまの中には果して何があるのか、ちょっと見当もつかない、というのは、それに夥しく埃が積っているためで、ちょっとでも触ろうものなら、手がまるで手袋でもはめたようになってしまいそうだ。
刈り取られた麦の堆積やまを数へたりしてゐるのであつた。