埴土はにつち)” の例文
ただわら製のツグラだけにしか残っていないが、以前は埴土はにつちひもをぐるぐると輪に重ねて行って、すべての円い器物を造っていた。
和州地名談 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
水戸みなとの神の子孫のクシヤタマの神を料理役として御馳走をさし上げた時に、咒言を唱えてクシヤタマの神がになつて海底に入つて、底の埴土はにつちわえ出て澤山の神聖なお皿を作つて
菫咲く春は夢殿日おもてを石段いしきだの目に乾く埴土はにつち
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかるにこの間にも、妙に地下水露頭の分布がある。方言でハケと称する赤土のがけを破り、あるいは真黒な埴土はにつちの中央から清水を噴出する。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)