埃及人エジプトじん)” の例文
代助は其奴そいつに体をごしごしられる度に、どうしても、埃及人エジプトじんに遣られている様な気がした。いくら思い返しても日本人とは思えなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眞赤な合歡花ねぶのはなの咲いて居る沙漠の水際に、埃及人エジプトじんが何時覺めるとも知らず、ごろ/\晝寢をしてゐるのを見て、私は囘々教ふい/\けうと云ふものは基督教キリストけうより遙に悟つたものだ。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
代助は其奴そいつからだをごし/\られるたびに、どうしても、埃及人エジプトじんられてゐる様な気がした。いくら思ひ返しても日本人とは思へなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
吾人がミイラによって埃及人エジプトじん髣髴ほうふつすると同程度の労力をついやさねばならぬ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)