土寇どこう)” の例文
おそらく、大塔ノ宮はいま、その中にあって、土寇どこう作戦の指揮をとってでもいるのではないか。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉に従兄いとこがあってえつ司李しほうかんをしていた。玉はその従兄の所へいって長い間帰らなかったところで、たまたま土寇どこうが乱を起して、附近の村むらは、大半家を焼かれて野になった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
公領から上がる御料では、なおまた各地の乱に乗じて、武力や土寇どこうのためかすめ取られるおそれがあり、それでは真に宸襟しんきんを安んじ奉ることにならないと考えたからであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後図こうとの何をなすにしても、ひとまず本国へ立ち帰った上で——と、急に堺を去ったものの、地方の情勢は都会以上険悪であったし、山野には早くも土寇どこうの出没もあるらしい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし土寇どこうの群れにでも襲われれば、たちどころに包囲され、全滅するほかはなかった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つけた土寇どこうの徒が、なおけ狙うているとみえる。弱味を見せると、足下あしもとを見て、よけいに執念しゅうねく寄って来るのは彼らの持前。——三十郎も与次郎も、ここよりは、辺りの土賊どもを——
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)