回教寺院モスク)” の例文
回教寺院モスク型の伽藍の方向へ向かって、波のうねるように押し出して行き、その回教寺院を破壊するべく、得物々々を揮っているのであった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
砂糖菓子のような回教寺院モスクの屋根も港の檣群しょうぐんも、ゆらゆら雨脚のむこうでいびつな鏡のようにゆれている。そのとき、仏マダガスカル航空フレンチ・マダガスカルサービスの郵便機が、雨靄もやをくぐりくぐり低空をとおってゆく気配。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
回教寺院モスクで鳴らす祈祷の鐘だ。冬といってもこの西班牙スペインのマドリッドの暖さはどうだろう! 秋の初めと変りがない。雪は愚か雨さえもこの一ヵ月降ろうともしない。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
乾き切った十二月の空を通して鳴り渡る回教寺院モスクの鐘の音の音色の高いのは当然だ。しかし神々しい鐘の音ももう明日からは聞かれまい。明日はこの国ともおさらばだ。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
常夏の国の常夏の街! コルドバの街は何処を見ても濃緑こみどりの樹木に黄金色の果実、灰色の家屋に銀色の回教寺院モスクこれ以外の物は無いのであった。蜘蛛手に拡がった無数の街路はことごとく人でうずまっている。
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
或日私は其回教寺院モスクへブラリと参詣に参りました。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)