哥沢節うたざわぶし)” の例文
哥沢節うたざわぶしを産んだ江戸衰亡期の唯美主義ゆいびしゅぎは私をして二十世紀の象徴主義を味わしむるに余りある芸術的素質をつくってくれたのである。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
巴里の町にふる雪はプッチニイが『ボエーム』の曲を思出させる。哥沢節うたざわぶしに誰もが知っている『羽織はおりかくして』という曲がある。
雪の日 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
八重はあしたの晩、哥沢節うたざわぶしのさらいに、二上にあがりの『月夜烏つきよがらす』でもうたおうかという時、植込の方で烏らしい鳥の声がしたので、二人は思わず顔を見合せて笑った。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
八重唯舞ふ事をくするのみにあらず哥沢節うたざわぶしは既に名取なとりなり近頃また河東かとうを修むと聞く。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)