哀音あいおん)” の例文
もがく力も乏しい最後の哀音あいおん、聞いたほどの人の耳には生涯消えまじくしみとおった。自分は妻とともにひとまず家に帰って、ただわけもわからずため息をはくのであった。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
夏をうたはんとては殊更に晩夏の朝かげとゆふべの木末こぬれをえらぶかの蜩の哀音あいおん
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
涙さしぐむ哀音あいおん
哀音 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)