咳枯しやが)” の例文
少女はすこしもはにかまずに彼に答へてゐた。彼女の聲は、彼女の美しい眼つきを裏切るやうな、妙に咳枯しやがれた聲だつた。
燃ゆる頬 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
その声が小さくて、咳枯しやがれてゐて、別人の声のやうであつた。夫人は隔たつた室にゐたので、此声が聞えなかつた。小さいニノチユカがゴム毬を抱いて走つて来て、すゞしい声で云つた。
板ばさみ (新字旧仮名) / オイゲン・チリコフ(著)
急に咳枯しやがれた声でかう云つた。