吾儕わたしども)” の例文
彼頃あのころから見ると、みんな立派な姉さんに成りましたなあ——どうして吾儕わたしどもが来た時分には、まだ鼻洟はなを垂らしてるやうな連中もあつたツけが。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あるひは、貴方等の目から御覧に成つたらば、吾儕わたしども事業しごと華麗はででせう。成程なるほど表面うはべは華麗です。しかし、これほど表面が華麗で、裏面うらの悲惨な生涯しやうがいは他に有ませうか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
第一、今日の政事家で政論に衣食するものが幾人いくたりありませう。実際吾儕わたしどもの内幕は御話にならない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)