吹井ふきい)” の例文
そこではまた、きれいな舞妓まいこ色子いろこたちが、団扇うちわの風を送るやら、吹井ふきいの水で手拭てぬぐいを冷やしてくるやら、女が女をとり巻いて、何しろ大したもて方である。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
煙草屋たばこや、うどん屋、医師いしゃの大きな玄関、へいの上にそびえている形のおもしろい松、吹井ふきいが清い水をふいている豪家の前を向こうに出ると、草のえたみぞがあって、白いペンキのはげた門に
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)