向方むき)” の例文
からだ向方むきをも知らずに彼は歩み出した。あとずさりをして居るのかと見える程僅かづつ前に出た。夜は暗い。と、彼の鼻先に、巨大な真黒なものが彼を圧して立ちはだかつた。彼ははつとした。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)