合切袋がっさいぶくろ)” の例文
どんな容子の人だとくと、かばんを持ってる若い人だというので、(取次とりつぎがその頃わたしが始終げていたかわ合切袋がっさいぶくろを鞄と間違えたと見える。)
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
今度だって荷物なんか何にも持って来やしませんや、この合切袋がっさいぶくろとこの大将のあのかばんを差し引くと、残るのは命ばかりといいたいくらいのものだ。ねえ大将
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またおたのしみの処へ出ましてもお邪魔だろうからと存じて控えて居ましたが、毎度御贔屓様になりまして有難う存じます、あんな結構な袂持たもともち合切袋がっさいぶくろや金の指環など見たこともない物を下すって
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
合切袋がっさいぶくろから小粒を二つばかり出しまして