司馬江漢しばこうかん)” の例文
その一は司馬江漢しばこうかんが西洋遠近法の応用、その二には仏国印象派勃興ぼっこうとの関係につきて最も注意すべき興味ある制作なりとす。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
司馬江漢しばこうかんの『西遊旅譚さいゆうりょたん』という紀行は、今から百四、五十年前のものであるが、これには中国のある山村で、女が毎日谷川たにかわへ水を汲みにかようことが書いてある。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
司馬江漢しばこうかんの随筆というのを古本屋の店頭で見つけたので、買って来て読んでみた。こういう書物は縁のない方であるが、何か理化学方面に関する掘出物でもあるかと思ったからである。
断片(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
大蒜にんにくの花、銅版画は司馬江漢しばこうかんの水道橋の新緑、その紅と金、小林清親こばやしきよちかの横浜何番館、そうして私たちの「パンの会」、永代の一銭蒸汽と吊橋、小伝馬町こでんまちょうは江戸の白い並倉ならびぐらと新しい東京の西洋料理店レストオラン
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
浮絵の名所絵に写生の技を熟練せしめたるのち、寛政八年頃より司馬江漢しばこうかんにつきて西洋油画あぶらえの画風を研究し、これに自家特有の技術を加へて北斎一流の山水をつくりいだせり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
司馬江漢しばこうかん、『春波楼筆記しゅんぱろうひっき』)
人の言葉――自分の言葉 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)