がた)” の例文
因つてうたがふ、孔子泰山たいざんの歌、後人假託かたく之をつくれるならん。檀弓だんぐうの信じがたきこと此の類多し。聖人を尊ばんと欲して、かへつて之がるゐを爲せり。
ここを以ちて今或るは一句の中に、音と訓とを交へ用ゐ、或るは一事の内に、全く訓を以ちてしるしぬ。すなはち辭理の見えがたきは、注を以ちて明にし、意況の解き易きは更にしるさず
乱山いずれの処か残燐をちようす 乞ふ死是れ生真なりがたし 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人 洞房の華燭前夢を温め 仙窟の煙霞老身を寄す 錬汞れんこう服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる可けん
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)