古代更紗こだいさらさ)” の例文
煙草入たばこいれだの、唐桟とうざん小片こぎれだの、古代更紗こだいさらさだの、そんなものを器用にきちんと並べ立てて見世を張る袋物屋ふくろものやへでも行って、わざわざ注文しなければ
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのこちら側の肘掛椅子に、最前の女優髷の女が被布を脱いで、小米桜こごめざくらを裾模様した華やかな錦紗縮緬きんしゃちりめんの振袖と古代更紗こだいさらさの帯とを見せながら向うむきに腰をかけている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
麻布あざぶのお宅というのはね、あのひとの居間の天井は、古代更紗こだいさらさで張ってあるのですとさ、それが一すん何円てしようっていうのだから剛勢じゃありませんか、何しろ女に生れなけりゃ駄目ですね
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)