叔父叔母おじおば)” の例文
最後の客が帰って行ったあとでも、叔父叔母おじおばは二階を片づけには上がってこなかった。挨拶あいさつ一つしようともしなかった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
叔父叔母おじおばといっても、いずれも母方の親類で、しかも母親とは腹のちがった兄弟ばかり。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
車は梶棒かじぼうを向け換えられて、また雨の中を小さく揺れながら日本橋のほうに走り出した。葉子は不思議にそこに一緒に住んでいた叔父叔母おじおばの事を泣きながら思いやった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
あの叔父叔母おじおばがどんな激しい言葉で自分をこの二人ふたりの妹に描いて見せているか。構うものか。なんとでもいうがいい。自分はどうあっても二人を自分の手に取りもどしてみせる。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)