厚木あつぎ)” の例文
親許おやもと厚木あつぎだそうで、人をやって調べましたが、其処には寄りつかず、請人うけにんは竹町の福屋甚兵衛という紙屋ですが、其処へも顔を見せません。
武蔵野の西郊を相模川さがみがわの果てまで行くと、厚木あつぎ宿しゅくから、大山、丹沢などの山々がおもてに迫って来る。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこのいかもの部屋に、この間うちからゴロゴロしている一組は、厚木あつぎを焼け出されて以来、五日市、八王子の宿しゅくと流れあるいて来た御難つづきの旅役者の一こうです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
厚木あつぎ在から来ているということだが、飯をくより外に能のない女だ、当ってみるがいい」
見ると厚木あつぎの天領役人と四、五人の手先です。何よりはその手にある十手の光にハッとして
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上お前達姉妹が借りた金も大方返した筈だし、お銀とお前は近いうちに、あの蟹澤かにざはの一座から飛び出して、故郷の厚木あつぎへ歸るつもりだつた。——その通りだらう。これはお徳に聽いたのだ
もつとも小松屋はその後をひの吉太郎といふのを養つて、跡取といふことにして居りましたが、此吉太郎が道樂を覺え、散々放埒はうらつの限りを盡した揚句、勘當されて相州厚木あつぎへやられて居るとも申しました。
勘当されて相州厚木あつぎへやられているとも申しました。
厚木あつぎ在だよ」