厄除やくよけ)” の例文
「さて、ここが森下というのだね。平間寺へいけんじへ御参詣、厄除やくよけの御守を頂きにはぜひ上陸しかるべし。それから又この船で川崎の渡場まで参りましょう」
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
芝、田町たまち鋳掛屋いかけや庄五郎が川崎の厄除やくよけ大師へ参詣すると云って家を出たのは、元治元年三月二十一日の暁方あけがたであった。
半七捕物帳:45 三つの声 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
重三じゅうざが死んでも申し訳の立つ訳ではないのだから、実にうち転覆ひっくりかえるような騒ぎで、それに丁度政七も重三郎も厄年だから、川崎の大師さまへ参って護摩をあげて厄除やくよけをし
それは、まったく不吉な年の厄除やくよけに願参りするのと同じであった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
御承知の通り、川崎は厄除やくよけ大師と云われるのですから、将軍は四十二の厄年で参詣になったのだと云うことでした。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
七兵衛が今度の伊勢まいりは四十二の厄除やくよけというのであるが、そのついでに伊勢から奈良、京大阪を見物してあるく間に、もしやわが子にめぐり逢うことがないともいえない。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)