占地茸しめじ)” の例文
近山裏の谷間には、初茸はつたけの残り、からびた占地茸しめじもまだあるだろう、山へ行く浴客も少くなかった。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
占地茸しめじを一かご、吸口のゆずまで調えて……この轆轤ろくろすぼめたさまの市の中を出ると、たちまち仰向あおむけにからかさを投げたように四辻がひろがって、往来ゆききの人々は骨の数ほど八方へ雨とともに流れ出す。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)