卓見たくけん)” の例文
「文学史的に見る。それは卓見たくけんだ。」秋山氏は、ニヤ/\と冷笑とも微笑とも付かぬ笑いを浮べながら云った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「矢ツ張り、實感によつて、實感の眞劍勝負なる文藝でなければならない。」と思ふと、死んだ二葉亭ふたばてい硯友社けんいうしや派的な遊戲文學者、餘裕文學者等と相伍するを嫌つたのは、今更ら卓見たくけんであつたのだ。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)